代表メッセージ

代表取締役社長
髙野こずえ

代表メッセージ

代表取締役社長
髙野こずえ

「父が現場で感じた”違和感”が全ての始まりでした」

父が清掃の仕事を続ける中で、ずっと気になっていたものがありました。
それが「剥離廃液」の存在です。
 
床ワックスを剥がす作業の裏側では、強い薬剤を含んだ廃液が発生します。
ある日、父が行った実験で、清掃廃液をそのまま樹木に流したところ、翌日の朝に木が枯れてしまうという現実を目の当たりにしました。
 
清掃を生業としている者として、この現実は放置できないと考えたと聞いています。
 
環境への負荷はもちろん、業界としての責任を深く考えるきっかけとなったそうです。
父は、この廃液を「捨てる」のではなく「再利用する仕組みをつくる」ことを、会社の使命として取り組む決意をしました。
 
しかし、開発は決して簡単ではありませんでした。
・有害なポリマーの除去
・残渣の分離
・基準値までの浄化
この3つをクリアしなければ、社会に出せる仕組みにはなりません。
 
父が何度も試行錯誤を重ね、ようやく形になったのが現在の清掃廃液処理システムです。
このシステムにより、廃液は
・河川放流基準を満たす水
・発電用ペレットの原料
へと再資源化することが可能になりました。
 
さらに、焼却処理と比較してCO2を約60%削減できる結果も得られています。
弊社は、清掃という仕事は「きれいにすること」だけではないと考えています。
環境を守る仕事でもある――そう信じています。
 
私は2代目としてその想いを受け継ぎこの取り組みを、同じ課題意識を持つ企業とともに、全国へ広げる活動を進めています。
 
業界全体が変わらなければ、本当の意味での改善にはならないからです。
 
父から受け継いだ想いを、次の時代へ。
この小さな一歩が、未来につながると信じています。 


2026年4月
代表取締役社長
髙野こずえ

清掃廃液処理装置 開発ストーリー

水を汚さないために、私たちは挑戦を始めた


清掃の現場では、床ワックスを剥がすたびに大量の「剥離廃液」が発生します。

強い薬剤やワックス成分を含むこの廃液は、長年、業界の中でも「処理が難しいもの」とされてきました。

適切な処理方法が確立されていなかった時代。
そのまま廃棄されることもあり、川の白濁や魚の大量死がニュースになることもありました。

「このままで本当にいいのか。」
その疑問から、株式会社グンビルの挑戦は始まりました。

きっかけは、“水”への危機感

2012年、利根川水系で発生した化学物質流出事故。

浄水場で有害物質が生成され、下流域では取水制限が発生しました。
水源地・群馬に生きる企業として、私たちは強い衝撃を受けました。

「自分たちの処理は本当に安全なのか。」

改めて自社の処理工程を徹底検証。

その結果、廃液に含まれる成分が、最終的に適切に分解・処理されていることを確認しました。

さらに、群馬工業高等専門学校 特命教授 小島昭様の助言を受けながら、環境負荷について研究を重ねました。

“見えない部分まで責任を持つ。”
それが、私たちの原点です。

前例のない挑戦

研究を始めたのは平成14年。
当時、「剥離廃液を適正処理する」という考え方そのものが、まだ業界では一般的ではありませんでした。
しかし私たちは、
・作業性
・経済性
・環境性能

このすべてを両立する処理技術を目指しました。
何度も失敗し、何度も改良を重ね、たどり着いたテーマ。

それが、「ゼロエミッション」でした。

廃液を、“資源”へ変える

グンビルの処理システムは、剥離廃液を単に「捨てる」のではありません。
廃液を、「水」「ワックス成分」「残さ」に分離し、さらに再資源化します。

取り出したワックス成分は固形燃料として再利用され、発電エネルギーへ生まれ変わります。
これは単なる廃棄ではなく、「循環型処理」への転換でした。

実現した4つの成果

1. 発電燃料への再資源化

ワックス成分を固形燃料化することで、発電所燃料として再利用。
1トンのワックス成分から生まれる電力は、一般家庭約半年分に相当します。

2. 厳しい排水基準をクリア

二段階処理により、水源地・群馬県の厳しい放流水基準をクリア。
環境への安全性を徹底的に追求しました。

3. CO₂排出を約60%削減

従来の焼却処理と比較し、大幅なCO₂削減を実現。
環境負荷低減にも貢献しています。

4. ゼロエミッションの達成

「廃棄する」のではなく、「循環させる」。
剥離廃液処理において、資源循環型モデルを構築しました。

それでも、高い壁があった

技術が完成しても、実用化への道は簡単ではありませんでした。中間処理業として許可を取得するには、前例のない技術に対して、行政へ一つひとつ説明しなければなりませんでした。
担当者変更、長期協議、膨大な水質検査。

許可までに4年以上。

「なぜそこまでやるのか。」

そう問われることもありました。
それでも私たちは、歩みを止めませんでした。

“適正処理が当たり前”の社会へ

私たちは、有志企業とともに
「剥離廃液を適正に処理する会」を立ち上げました。

目指すのは、
「未処理の剥離廃液を、一切流さない社会」
です。

環境対策は、特別なことではなく、当たり前になるべきもの。
そのために、全国へ技術を広げ、地域ごとのネットワークづくりを進めています。

私たちが守りたいもの

子どもの頃、川で遊んだ記憶。
澄んだ水、魚の群れ、夕暮れの景色。

その自然を、次の世代へ残したい。

この想いこそが、グンビルの原動力です。

清掃の裏側で発生する廃液にも、責任を持つ。
見えない部分まで誠実に向き合う。

それが、私たちの使命です。

株式会社グンビル