廃液処理とは

建築物清掃で発生する廃液を適正に処理するための完全ガイド

1.廃液処理とは

廃液処理とは、建築物清掃などで発生した廃液を法令に基づき適正に処理することです。
適切な処理を怠ると、法律違反(書類送検)や河川汚染のリスクを招きます。

しかし、「廃液」と一言でいっても、その種類や性質はさまざまであり、法令上の扱いも一律ではありません。適切な処理を行うためには、まず廃棄物に関する基本的な知識を理解することが重要です。

では、事業活動によって発生する廃棄物にはどのような種類があり、廃液はその中でどのように位置付けられているのでしょうか。まずは、廃棄物の分類について見ていきましょう。

2.廃棄物(ごみ)の種類

廃棄物には、生活から排出される「家庭ごみ」と事業活動から排出される「事業系ごみ」があります。

事業系ごみは、「事業系一般廃棄物」と「産業廃棄物」の2種類に区分されます。

家庭ごみと事業系一般廃棄物は、各市町村の処理場で処理されますが、事業系一般廃棄物は有料で引取りとなり、家庭ごみと区別されます。各市町村の処理場で処理できないものは、産業廃棄物として事業者の責任で自ら処理するか、専門業者に委託して処理されます。

3.排出事業者を確認する

まず「誰が排出事業者か」を契約・作業内容に基づいて確認します。 排出事業者が処理責任を負うため、メンテナンス契約に明記することが推奨されます。

3-1. 業者持参の薬品 + 現場の汚れ
→ 各業者が排出事業者
(例)床ワックス剥離廃液、エアコン洗浄廃液、厨房洗浄廃液、カーペット洗浄廃液、表面洗浄廃液など

3-2.建物内から集めたごみ
→ オーナー・管理者が排出事業者
(例)貯水槽汚泥、排水槽汚泥、グリストラップ汚泥、側溝汚泥など

3-3.自ら処理 or 専門業者委託を判断する

自ら処理する場合
1.処理装置で廃液を処理水と残渣に分離
2.処理水が排水基準(水域・下水道・浄化槽)に適合していることを確認
3.処理の記録を5年間保存

3-4.専門業者へ委託する場合の手順

専門業者に委託する場合
1.産業廃棄物収集運搬・処分業許可業者と契約
2.マニフェスト(管理票)を交付
3.終了票の確認・記録を5年間保存

3-5.排水先ごとの基準を確認する

排水先根拠法令BOD基準pH基準
公共用水域(河川等)水質汚濁防止法濁防止法160mg/L以下5.8〜8.6
下水道下水道法600mg/L以下5.8〜9.0
浄化槽浄化槽法微生物に有害なものは流入禁止

※本表は一般的な基準を示したものです。自治体によっては条例等により、上乗せ基準が適用される場合があります。

4.事業系ごみの処理

4-1. 事業系一般廃棄物

事業系一般廃棄物は、市町村の処理施設で処理されます。排出事業者が自ら搬入するか、許可を受けた収集運搬業者へ委託する必要があり、処理には費用が発生します。

4-2. 産業廃棄物

産業廃棄物は、排出事業者が処理責任を負います。そのため、適正に処理されたことを確認し、記録を保管する必要があります。

(1)自ら処理する場合(自己処理)
排出事業者は、自ら処理した産業廃棄物が法令に基づいて適正に処理されたことを確認し、その記録を5年間保存しなければなりません。なお、現場で発生した廃棄物を事業所へ持ち帰る場合も、産業廃棄物として適切に管理する必要があります。


(2)専門業者へ委託する場合
産業廃棄物の処理を許可業者へ委託する場合は、産業廃棄物管理票(マニフェスト)により処理状況を管理します。また、マニフェストを含む関係書類は5年間保存する必要があります。
行政機関から処理状況の確認を求められた場合には、排出事業者は必要に応じてこれらの記録や書類を提示しなければなりません。

5.現場処理可能・困難の分類

建築物の清掃業務では、床ワックス剥離廃液、エアコン洗浄廃液、厨房洗浄廃液、表面洗浄廃液、カーペット洗浄廃液、たばこ消火廃液、グリストラップ汚泥など、さまざまな産業廃棄物が発生します。

これらの廃棄物については、環境負荷の低減や適正処理の観点から、発生現場での処理が可能かどうか検討されてきました。

表面洗浄廃液、カーペット洗浄廃液、たばこ消火廃液については、適切な処理を行うことで現場処理が可能と判断されました。一方で、床ワックス剥離廃液、エアコン洗浄廃液、厨房洗浄廃液、グリストラップ汚泥については、生活環境への影響や処理技術上の課題を考慮した結果、化学的・物理的な要因から現場での適正処理は困難であると判断されました。
そのため、建築物の清掃業務から発生する産業廃棄物を「現場処理が可能な廃棄物」と「現場処理が困難な廃棄物」に分類し、それぞれに適した処理方法について解説して
います。

6.事業系一般廃棄物

紙くず、生ごみ、木くず、繊維くずなどは、事業系一般廃棄物に該当し、主に市町村の処理場で処理されます。
家庭ごみは、ごみステーションに捨てることが出来るのに対し、事業系一般廃棄物は、有料引取りとなるため、ごみステーションに捨てることができません。市町村の処理場へ排出事業者が自ら運搬を行うか、許可を受けている運搬業者へ委託する方法があります。

7.事業系一般廃棄物の種類

1)紙くず
(例)ダンボール、カタログ、シュレッダー内の紙くずなど

2)生ごみ
(例)一般のオフィスから出る茶殻、厨芥など
(※食品製造業の残渣は産業廃棄物)

3)木くず
(例)清掃で集めた落ち葉や枝など

4)繊維くず
(例)制服、作業服など

※ 事業系一般廃棄物は、各市町村が受入れるか、各市町村が一般廃棄物処理計画に基づいて受入先を紹介します。

8.当社の立場

グンビルは、清掃廃液処理装置を日本で初めて開発した企業として、「剥離廃液を適正に処理する会」(2009年設立)の創設に携わってきました。
本ページでは、当会が20年以上にわたって蓄積した知見をもとに解説します。

詳細は『剥離廃液を適正に処理する会』の公式サイトをご確認ください(現在リンク準備中)

9.なぜ廃液処理が必要か

廃液を適正に処理しないとどうなる?法律違反と環境リスク

9-1 廃液処理に関わる主な法律

剝離廃液を適正に処理するためには、排水先に応じた法律や基準を理解しておく必要があります。
ここでは、清掃業務で特に関係する主要な法律と代表的な基準値をまとめています。

【水質汚濁防止法】
河川などの公共用水域へ排水する場合は、水質汚濁防止法に基づく排水基準を満たす必要があります。
一般的な基準として、BOD160mg/L以下、pH5.8〜8.6が定められています。


【廃棄物処理法】
剝離廃液は性状によっては産業廃棄物として扱われ、適正な処理やマニフェスト管理が必要になります。
無許可で処分した場合は、5年以下の懲役などの罰則が科される可能性があります。

【下水道法】
下水道へ排水する場合は、下水道法に基づく排除基準を満たす必要があります。
一般的な基準として、BOD600mg/L以下、pH5.8〜9.0が定められています。

※本表は一般的な基準を示したものです。自治体によっては条例等により、上乗せ基準が適用される場合があります。

9-2 実際の数値でわかる危険性

床ワックス剥離廃液のBOD値(生物化学的酸素要求量)は実測で75,000mg/Lに達することがあります。
水質汚濁防止法の基準値は160mg/Lのため、そのまま排水するには469倍の希釈水が必要になる計算です。
3,000㎡の現場では廃液約1t、希釈に必要な水は469tにのぼります。

9-3 過去に起きた事故事例

廃液の不適切な処理は、環境汚染や法令違反の原因となります。実際に、廃液の不法投棄や不適正処理により書類送検された事例もあります。ここでは過去の事故事例をご紹介します。

発生場所内容対処
H22.8福島県剥離廃液630Lが農業用水路へ流出・白濁JR東日本が水8t回収
H17.5東京都剥離廃液100Lを雨水溝へ → 廃棄物処理法違反で書類送検青梅警察署
H15.5広島県清掃廃液を排水溝へ → 水路が白濁水質汚濁防止法違反で事情聴取

10. 廃液の種類と処理方法

清掃廃液の種類別ガイド/現場処理できるもの・できないもの

10-1. 現場処理可能な廃液(3種類)

以下の3種類は、適切な処理装置を用いることで現場での処理が可能です。 処理後の水を排水基準に適合させ、残渣は産業廃棄物として処理します。

※本表は一般的な基準を示したものです。自治体によっては条例等により、上乗せ基準が適用される場合があります。

10-2. 現場処理が困難な廃液(4種類)

以下の4種類は、化学的・物理的な理由から現場での完全処理が困難です。 産業廃棄物として、許可を受けた専門業者に委託処理することが必要です。

① 床ワックス剥離廃液

BOD値:75,000mg/L(基準の約469倍)
アミン類(2-アミノエタノール)を含む
塩素と反応するとホルムアルデヒドに変化するリスクあり

② エアコン洗浄廃液

1台あたり約20Lの廃液が発生
pH:9.4〜13.2(基準5.8〜8.6に対し10〜100,000倍の希釈が必要)
特別管理産業廃棄物に該当する場合あり

③ 厨房洗浄廃液

油脂類・洗剤成分を高濃度で含む
ノルマルヘキサン抽出物質含有量が基準値を大幅超過

④ グリストラップの汚泥

厨房排水中の油脂・食物残渣が蓄積
定期的な引き抜き・専門業者による処理が必要過

11.グンビルの「清掃廃液循環型処理システム」とは

従来の「薄めて捨てる」「高いコストを払って処分する」という概念を覆し、独自の特許技術で廃液を資源へと変える、環境配慮型のシステムです。

11-1. 廃液を「処理水」と「残渣(固形物)」に完全分離

回収した床ワックス剥離廃液などを、グンビル独自の処理装置によって「透明な処理水」と「ポリマー・残渣」へと高精度に分離します。

11-2. 処理水は「河川放流基準」をクリアする水準へ

分離された処理水は、水質汚濁防止法や自治体の厳しい条例に基づく「公共用水域(河川等)への放流基準(BOD160mg/L以下、pH5.8〜8.6)」をクリアするレベルまで浄化されます。

11-3. 分離した固形物を「高エネルギー燃料」へ再資源化

抽出されたポリマーや残渣(固形物)は、単に廃棄処分するのではなく、高エネルギーの燃料ペレットとして再資源化。「100%循環型の廃液処理」を実現しています。

12.清掃廃液処理を行う3つのメリット

12-1. 環境リスク低減

環境事故や水質汚染リスクの低減につながります。

12-2. 法令遵守体制の強化

産業廃棄物管理やコンプライアンス強化をサポートします。

12-3. ESG・SDGs対応

企業の環境配慮活動として、対外的な信頼性向上にもつながります。

13.特許・研究開発について

グンビルは「日本初の清掃廃液処理施設」を開発。
「水」と「再利用可能な資源」に分離する独自システムを開発し特許を取得しています。

14.オンサイト処理とは?小型装置の紹介

オンサイト処理とは?現場で完結する廃液処理の新常識

14-1. オンサイト処理とは、廃液が発生した作業現場でそのまま処理を完結させる方法です。 廃液を車両で運搬して外部の処理施設へ持ち込む従来の方法と異なり、 現場で処理水と残渣に分離し、処理水を排水基準に適合させて即時排水します。

14-2. 従来処理との比較表

比較項目従来の委託処理オンサイト処理
(当社装置)
コスト委託費・収集運搬費が毎回発生ランニングコストを大幅削減
マニフェスト5年間の保存・管理が必要処理水は排水として処理可
対応スピード引き取りまで保管が必要当日現場で処理完結
環境リスク運搬中の漏洩リスクあり現場完結でリスク低減

14-3. 当社の小型オンサイト処理装置

グンビルは、清掃廃液処理装置を日本で初めて開発した企業として、 持ち運び可能な小型オンサイト処理装置をラインナップしています。 ビルメンテナンス・清掃業者・商業施設管理者など、 さまざまな規模・用途に対応した機種をご用意しています。現場での処理に対応した「現場対応型」の小型清掃廃液処理装置のレンタル事業を展開しています。

グンビルの清掃廃液処理サービス▶詳しくはコチラ

15. よくある質問

Q1.
清掃廃液処理とは何ですか?

Q2.
床ワックス剥離廃液はそのまま下水に流してもいいですか?

Q3.
現場処理できる廃液とできない廃液の違いは何ですか?

Q4.
廃液処理のマニフェストとは何ですか?

Q5.
オンサイト処理装置とはどんな装置ですか?

Q6.
廃液処理を怠ると何の法律に違反しますか?

Q7.
剥離廃液の処理のみを依頼できますか?

Q8.
装置の見学、処理状況の確認はできますか。

Q9.
装置自体のパンフレットはもらえますか。

Q10.
営業エリア、アフターフォローの範囲はどこまでですか。

16.当社について

日本初の清掃廃液処理装置開発メーカーとしてー

清掃廃液処理装置を日本で初めて開発した企業
「剥離廃液を適正に処理する会」(2009年設立・全国会員組織)

創設メンバー
環境展(2015年)への出展実績
廃棄物処理法の専門家(長岡文明 氏 / BUN環境課題研修事務所)との連携
群馬分析センターによる科学的分析データに基づく製品開発
東京都・大阪府・新潟市などの行政指導実績に対応した製品設計



私たちは、全国の清掃現場へ新たな環境インフラを提案し、
持続可能な清掃業界の実現を目指しています。
導入のご相談や詳細については、お気軽にお問い合わせください。

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